待ち伏せ

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俺マン2018

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ルポルタージュ 追悼記事』/売野機子
ルポルタージュ‐追悼記事‐(1) (モーニング KC)

ルポルタージュ‐追悼記事‐(1) (モーニング KC)

 

大好きな漫画が突然終わってしまうことは悲しいし、それがどこかに拾われて再び形になることは簡単ではない。でも希望はある。主人公の青枝聖という名前が彼女自身の「恋愛がマイノリティになった世界でも恋愛を信じ抜く”聖”戦」、そして一度連載終了になりながらもそのテーマを描ききろうとする売野先生自身の”聖”戦、全てにつながっていくことが明らかになる1話が、新章の1話として完璧。 

 

『パンダ探偵社』/澤江ポンプ
パンダ探偵社 1 (torch comics)

パンダ探偵社 1 (torch comics)

 

ちょっと不思議でコミカルな話かな?と読み始めたところでスっと突き放されてリアリティに持っていかれる一話が完璧すぎる。

室井大資トークイベントで「こいつは天才」と話題に出すまで知らんかったし、となジャンで連載してた人だったことも知らんかった。Web漫画、いつでも読めるからいつまでも読まないやつやってると損しかない…

 

『乙女文藝ハッカソン』/山田しいた
乙女文藝ハッカソン(1) (イブニングKC)

乙女文藝ハッカソン(1) (イブニングKC)

 

「物語構造の勉強をしていたらそれ自体が物語になった」というだけあって、作中で出されるアイデア(出し)がめちゃくちゃ創作に活かせそう。個人的に2018年は一次創作にチャレンジした年だったのでアイデアの構築の仕方とかめちゃくちゃ興味深く読んじゃう。

「創作論語り」で終わらず、キャラとテンポの良い漫画として出来上がってることそれ自体が良い。

 

メランコリア』/道満晴明
メランコリア 上 (ヤングジャンプコミックス)

メランコリア 上 (ヤングジャンプコミックス)

 

スーサイドパラべラムが一生出ない。

 

『バララッシュ』/福島聡
バララッシュ 1巻 (ハルタコミックス)

バララッシュ 1巻 (ハルタコミックス)

 

天才と凡才の話ほど好きなものない。

 

『不朽のフェーネチカ』/竹良 実

カッコイイババアほど好きなものない。

 

『ヤオチノ乱』/泉仁優一

ヤオチノ乱(1) (コミックDAYSコミックス)

ヤオチノ乱(1) (コミックDAYSコミックス)

 

現代を舞台にして忍者サバイバルを描こうとするとそりゃあ地味になるよね。地味であることが作品としての面白さを肯定してる漫画。現代忍者の戦術(忍術ではない)ネタ、無限に見ていたい。

 

『夜と海』/郷本
夜と海 1 (芳文社コミックス)

夜と海 1 (芳文社コミックス)

 

不器用で愛想のない女と不器用で愛想のある女の百合、感情合戦にはなりすぎず、あくまでもナチュラルにぶつけ合うのが良い。そして単純に絵が上手えし、感情に呼応して描かれる波・水しぶき・魚の群れのエフェクトが上手え。

 

『メタモルフォーゼの縁側』/鶴谷香央理
メタモルフォーゼの縁側(1) (単行本コミックス)

メタモルフォーゼの縁側(1) (単行本コミックス)

 

「読み手と描き(書き)手」の関係性、オタクとオタクの交流を描いた漫画を最近よく見かけるようになった気がして。それこそ同人界隈の神作家とただのファンを百合漫画に落とし込んだやつなんか今年はコミティアでめちゃくちゃ見た気がした。それでもやっぱり一般化されて強く共感を呼ぶのは「読み手と読み手」の関係性なんだよな~ということを感じたんですよね。

 

『電話・睡眠・音楽』/川勝徳重
電話・睡眠・音楽 (torch comics)

電話・睡眠・音楽 (torch comics)

 

今年一打ちひしがれる読書体験だったんですが、どれだけ漫画のことが好きでどれだけ漫画のことを考えてたらこうなるんだろう、みたいな思いになり、気が遠くなる。読んでると気が遠くなる漫画です。

一番好きなお話は「輪唱(三)」です。

 

『魔法が使えなくても』/紀伊カンナ
魔法が使えなくても (フィールコミックス)

魔法が使えなくても (フィールコミックス)

 

「若者たちの夢とか希望とか悩みとかは白か黒かでは割り切れなくて、若者であるだけで無敵だよねということをポップで牧歌的に描いた青春群像劇」みたいなことはどうでもよくて、紀伊カンナが描く顔の良いヒモ女と顔の良いヒモ甘やかし女の百合が大判で読めるのが嬉しい。それが大事。

 

俺マンを提出したので2018年、了です。

本屋のバイトをやめた

3年続けたバイト先の本屋をやめました。で、そこで発行してたフリーペーパーの、毎月(毎月1日発行なので一個前の月)のおすすめ漫画を紹介するコーナーの原稿を担当していたんですけど、これがなかなか面白くて。お店に来るお客さんの層(サブカル好きが多い)に合わせてみたり、ジャンルが被らないようなおすすめをしてみたり、マイナーな作品を推してみたり、いろいろ自由にやってました。

その原稿をそのままにしとくのもなんかもったいないし、僕がやめたことで著作権フリーになったと思うし(?)、記録も兼ねてせっかくなのでインターネットに残しとこうかな、というアレです。

 

2015年~

 

7月号

『A子さんの恋人』①/近藤聡乃

どこで誰と暮らしていくのか。身の振り方に悩む29歳女子を主人公に据えた作者初の恋愛漫画。アラサー漫画特有の自虐や悲壮さは少なく、軽やかに読めます。人の性格は一言では言い表せないほど面倒くさかったりするもので、癖のあるキャラには誰かの姿が重なるかも。

 A子さんクッッッソ売れた。

 

8月号

のみじょし』①/迂闊

お酒が大好きな「飲み女子」たちの四コマコメディ。ビアガーデン、温泉、お花見。仕事帰りに集まって飲む、それだけの描写に癒されます。一杯に付き合って愚痴を語れる友人がいれば大抵のことはなんとかなると思えたり。生チョコと一緒にブランデーをいただく飲み方は真似したくなります。

のみじょし 1 (バンブーコミックス)

のみじょし 1 (バンブーコミックス)

 

 

 

9月号

百万畳ラビリンス』上・下/たかみち

脱出ゲームのような空間に閉じ込められたゲーマー女子大生がそのゲーム脳を武器に異世界を攻略していくSF。小気味いいテンポで会話する二人組主人公のキャラクター、上下巻に過不足なくまとまったストーリー構成、どこをとっても完成度が高い。はやくも今年の私的ベストコミックにランクインしました!

百万畳ラビリンス  下巻 (ヤングキングコミックス)

百万畳ラビリンス 下巻 (ヤングキングコミックス)

 
百万畳ラビリンス  上巻 (ヤングキングコミックス)

百万畳ラビリンス 上巻 (ヤングキングコミックス)

 

  

惰性67パーセント』①/紙魚丸

成年コミック作家初となる全年齢向け商業作品は、大学生男女四人組のだらだら下ネタ青春コメディ。惰性で過ごす日常はハプニングの連続で、馬鹿馬鹿しいシチュエーションと”本番”に発展しそうでなかなかそうはならない、その絶妙なバランスの上で繰り出される下ネタに終始笑いっぱなしです。 

惰性67パーセント 1 (ヤングジャンプコミックス)
 

 

 

10月号

ホーリータウン』/宮崎夏次系

作者初となる連作集は、独立した各話のキャラたちがひとつの街に住んでいたというしかけで、今までの作品になかったやや実験的な意図も感じられる。シュールでキュートなどこか”生きづらさ”を感じるキャラたちが愛らしく思えます。店内には原画も展示中ですので、ぜひご覧になって行ってください。 

ホーリータウン (モーニング KC)

ホーリータウン (モーニング KC)

 

  

『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいのマンガで読む。』/ドリヤス工場

水木しげる似の画風でアニメの二次創作を描いてきた作者が今度は名作文学を手がけます。人間失格で描かれれるダメ人間、ドグラ・マグラの異様な文体、変身のほの暗い結末、それぞれが水木タッチで描かれるのは取り合わせの妙。ただの「読んだ気にさせる」コミカライズ企画には終わらない面白さがあります。

 締切遅れて使われなかった幻の原稿。ホーリータウンおもっくそネタバレしてるな。

 

 

11月号

『グッドナイト、アイラブユー』①/たらちねジョン

遺言に導かれ、翻訳家だった母のルーツを探して1人で海外に飛び出した主人公。異国に住む母の友人たちとの出会いや、うまくいってなかった兄との関係を見つめ直していく旅は「人とのつながり」を描いていきます。Webでも無料で読めますが表紙の装丁がおしゃれなのでぜひ手に取ってみてほしい作品です。

グッドナイト、アイラブユー (1) (it COMICS)

グッドナイト、アイラブユー (1) (it COMICS)

 

 

『ねじの人々』①/若木民喜

京大出身、「神のみ」作者の哲学漫画。哲学って難しそう…と感じるかもしれませんが、「自分」とは、「真実」とは、という段階からキャラと一緒になって考えていきます。答えのない分野に対しての作者なりの悩みや考えが語られる本作。哲学とはなにか?を考えるきっかけになる…かもしれません。

ねじの人々 1 (裏少年サンデーコミックス)

ねじの人々 1 (裏少年サンデーコミックス)

 

 

 

12月号

背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 』① / 横田卓馬
スタイリッシュさや競技の熱さで売るダンス漫画とは違う、デフォルメされたちんちくりんな主人公。しかし超人でも何でもない主人公カップルたちが一緒に成長していく姿からは、ただただ一生懸命さが伝わってきます。プロの世界ではない、「部活」としての「青春」が清々しいです。続く第2巻は来月発売。


『恋情デスペラード』①/アントンシク
長ドス一本携え生涯の伴侶を求めて旅をする"面食い"女流浪人のハイテンションアクション漫画。ウエスタン西部劇×日本の時代劇というハイブリッドな世界観は娯楽性たっぷり。キレのあるアクション描写とキャラの可愛い表情のギャップを描き切る画力の高さも魅力です。表紙買い必至の一冊! 

 

 

 

2016年~

1月号 2015年本当に売りたかった本

『十月桜』/中野でいち

「醜さの中に美しく映える桜」
ベストセラー作家の娘で車椅子に乗った美少女とその世話を任された図書館司書との「愛」と「憎」が入り乱れた作品。ひねくれたキャラたちが紡ぐ「作品を生み出すということ」へのセリフは、同人作家としても活動している作者本人の想いを代弁しているよう。醜くも美しい物語です。 

十月桜 (リュウコミックス)

十月桜 (リュウコミックス)

 

 毎年1月とかに昨年刊行された本で一番売りたかった1冊を、自分の担当から選ぶという企画があった。見出しと合わせてフェア展開される。僕は別にコミック担当というわけではなかったのだけど…

 

『木根さんの1人でキネマ』①/アサイ

スターウォーズはどの順番で観る?ゾンビ映画はどれも気持ち悪い?わざわざ映画館まで足を運ぶ意味とは?30代独身OLが趣味を誰とも共有できない哀しさを爆発させたキネマコメディ。こじらせすぎた木根さんの作品愛は映画好きに限ったことでなく、"オタクあるある"として最高に笑えます。 

木根さんの1人でキネマ 1 (ジェッツコミックス)

木根さんの1人でキネマ 1 (ジェッツコミックス)

 

  フェア用と別に用意してた原稿(使われなかった)

 

2月号

『Comic S 早川書房創立70周年記念コミックアンソロジー〔SF篇〕』 
早川書房創立70周年を記念して刊行された「SF編」「ミステリ編」二冊のコミックアンソロジー、その執筆陣がとにかく豪華。一口に「SF」や「ミステリ」のジャンル分けをすることは難しいけれど、それゆえに作家一人一人の発想、解釈、愛の読み比べができる。少しお高めの値段にも目をつぶってしまいます。

 

『さらば、佳き日』①/茜田千
新婚夫婦として地方都市に越してきたふたりは兄妹だった…という内容が決して扇情的ではなく、淡く静かな「ふつうのラブストーリー」として語られる。「特別」な物語をいかに「ふつう」な物語として描くか、って意外と難しいことなんじゃないかと思えたり。サブキャラのストーリーと並行して続きが気になります。

さらば、佳き日 (1) (it COMICS)

さらば、佳き日 (1) (it COMICS)

 

 

 

3月号

『ディザインズ』①/五十嵐大介
圧倒的筆致と五感で読ませる漫画を描く五十嵐大介、久々の新作!遺伝子を"設計"されて生まれたヒトと動物の混合体ヒューマナイズド・アニマル(HA)をテーマとしたプレグレッシブ・ハードSF。兵器として戦争に用いられるHA、宇宙開発計画に関わる人間側の対立、「環世界」の概念など、骨太な物語になりそうな予感。

ディザインズ(1) (アフタヌーンKC)

ディザインズ(1) (アフタヌーンKC)

 

 

『カルト村で生まれました。』/高田かや
子供は親と離れて暮らし、朝五時半に起きて労働を強要される。食事は一日二回、体罰は当たり前、所有のない社会なためお小遣いはなし。カルチャーショック連発な「カルト村」の内実を綴ったコミックエッセイ。「カルト」と聞くと怖いものを想像しがちですが、あくまでエッセイとして描かれた本作は単純な興味深さで読めてしまいます。

カルト村で生まれました。

カルト村で生まれました。

 

 

 

月号

『かんぺきな街』/売野 機子

一貫して「どこか欠けている人間の真っ当な愛」を描き出す売野機子、新作はその真骨頂が発揮されています。作者の魅力は何と言っても言葉選びのセンス。絵柄やセリフの雰囲気から、24年組(70年代に活躍した女性漫画家)が引き合いに出されることが多いのですが決して古臭いわけではなく、瑞々しい。もっと多くの人に読まれて欲しい作家さんです。

かんぺきな街 (ウィングス・コミックス)

かんぺきな街 (ウィングス・コミックス)

 

 

 

『ななしのアステリズム』①②/小林キナ
百合専門誌ではなく、一般のレーベルから出た百合漫画で最近一番インパクトのあった作品。誰にも言えない秘密を抱えた仲良し女子3人組のピュアな青春ラブストーリー…かと思いきや、細かい心理描写で思春期ゆえの一時の感情にまかせた破壊衝動が見え隠れする展開にはハラハラさせられます。①②巻が同時に発売されました。

ななしのアステリズム(1) (ガンガンコミックスONLINE)
 

ななアス使われなかった。

 

5月号

『hなhとA子の呪い』①/中野でいち
「もはや俺にはあらゆることが『エロい』か『逆にエロい』としか思えない…」人間の性欲を否定し究極の純愛を求める男が倒錯していくサイコホラー。デフォルメの効いた絵や芝居がかった台詞回しなど、表現はとても漫画的。自意識・妄想・罪悪感が爆発した主人公の姿は見ていて滑稽で、しかし読者はそれを笑い飛ばす気にはなれないのです。

hなhとA子の呪い 1 (リュウコミックス)

hなhとA子の呪い 1 (リュウコミックス)

 

 

 

6月号 上半期ベスト的な企画

『コオリオニ』上・下/梶本レイカ
「究極のクライムサスペンスBL」
90年代の北海道を舞台に警察とヤクザの腐敗した関係を扱った本作は、実在の事件をモデルに、人間の醜い部分・弱い部分を徹底的に描き出してエンターテインメントに仕立て上げている。ジャンルはBLだが、「なにか面白い漫画はないか」と口を開けている大人たちに片っ端から読ませたい。

コオリオニ(上) (BABYコミックス)

コオリオニ(上) (BABYコミックス)

 
コオリオニ(下) (BABYコミックス)

コオリオニ(下) (BABYコミックス)

 

 

『こども・おとな』/福島鉄平
「かつて”こども”だったあなたへ」
こどもの頃の一日って、今よりずっと長く感じられませんでしたか?分からなかったことが分かるようになり、自分の周りの世界が広がっていく、そのきっかけとなる日々の出来事をこどもの視点から語る。大ぶりなコマ割りとセリフの少ないゆったりとした構成は、読者をあの頃に引き戻してくれます。

こども・おとな (ヤングジャンプコミックス)

こども・おとな (ヤングジャンプコミックス)

 

 

『かんぺきな街』/売野機子
「どこかが欠けている人間たち」
「だけど私たち 金魚を混ぜたわ」「雨の日は不思議 懺悔の雰囲気」「窓の下で並んで アイスキャンディを食べたい その頭だけを陽が掠っている 君はのっぽだから」―売野機子の魅力は言葉選びのセンス。「どこか欠けている人間の真っ当な愛」を描き続ける作者、新作もとても瑞々しいです。

かんぺきな街 (ウィングス・コミックス)

かんぺきな街 (ウィングス・コミックス)

 

 この年は上半期ベスト企画があった。

 

7月号~8月号

ここらへんから1ヶ月半に1回の発行に変わったぽい(記憶)たぶん漫画のコーナーがなかった。

 

9月号~10月号 

『アキオ…』/村上たかし
さえない中年のおっさん・アキオは妻から突然離婚を持ちかけられる。有名IT企業の社長に15歳年下の美人妻と3歳になる最愛の娘を奪われるか…というところで、アキオが持ちかけた離婚の条件は想像の斜め上を行く。作中でアキオは幾度となく泣きじゃくり、そこには胸キュンも甘酸っぱさも存在しない。しかしこれは間違いなく、おっさんが主役の泥臭いラブコメなのだ。 

アキオ… (ビッグコミックススペシャル)

アキオ… (ビッグコミックススペシャル)

 

  

『鉄腕アダム』①/吾嬬竜孝
ジャンププラスで連載中の近未来ハードSF。村上春樹を愛読するAIヒューマノイド・アダムが地球を襲う奇怪な姿をした飛翔体「蝶」を宇宙空間で迎え撃つ…といった設定には、エヴァシドニアの騎士といった既存のSF作品の影響が見られる。そうしたアイデアをスタイリッシュに再構築した本作は更に、人工知能が抱える問題をも取り扱っていくことになりそう。 

鉄腕アダム 1 (ジャンプコミックス)

鉄腕アダム 1 (ジャンプコミックス)

 

 

 

11月号~12月号

悪魔のメムメムちゃん 』①/四谷啓太郎
人間を誘惑して魂をいただくサキュバス…なのに、弱気で泣き虫、幼児体型でエッチなことが苦手というポンコツ悪魔メムメムちゃん。悪魔としての仕事をしっかり果たせず人間と仲良くなっていくうちに、どんどん図々しく憎たらしくなっていくキャラが可愛いです。泣き顔や恥ずかしがり顔がしつこくならないキュートな絵柄も魅力。 

悪魔のメムメムちゃん 1 (ジャンプコミックス)
 

 


『晴れ間に三日月』/イシデ電
幼馴染に彼氏を奪われて街を飛び出した主人公が子供を連れて地元に戻り、その幼馴染と14年ぶりに再会することから始まるヒューマンドラマ。めんどくさい人間関係をめんどくさがらずに丁寧に描き、言葉に出来ない気持ちを的確に言葉にして書く。ドロドロの愛憎劇を決して感情的にならずに描き切った後味はスッキリとしています。 

晴れ間に三日月 (オフィスユーコミックス)

晴れ間に三日月 (オフィスユーコミックス)

 

 


ジャックポットに微笑んで』/つつい
作者が同人誌として出していた百合漫画を単行本として再録したもの。「女の子が女の子のことを好きになってこその恋愛」だけでは物足りない人向けの“広義”の百合です。妬み、偏愛、投影、無関心、女の子どうしの歪んだ感情を表現するための、ゾクゾクするような絵がとても上手い。次の作品を読みたくなる作家さんです。 

ジャックポットに微笑んで (百合姫コミックス)

ジャックポットに微笑んで (百合姫コミックス)

 

 ジャックポットが使われなかった。百合漫画の原稿、ボツになりがち。

 

2017年~

1月号

『ぎなた式』/三木有
女子のスポーツというイメージの強いなぎなたの魅力にハマっていく男子の物語。どんなスポーツもこなしてきた主人公が、「男だから向いてない」という理由で出会ったばかりのなぎなたという競技に突き放されてしまうのが面白い。単巻でもきれいにまとまっていますが、サブキャラも立っていて是非この先の話が読みたい!と思える漫画です。

ぎなた式 (ジャンプコミックス)

ぎなた式 (ジャンプコミックス)

 

 


『私の好きな週末』/三好銀
今年8月に急逝した作者の遺作となってしまった1冊。三好作品の物事を俯瞰したような作風は三好銀自身の人間性から来ていたものだということが、角田光代森泉岳土、嫡子の三好風太らの追悼寄稿から読み取れる。佳作でマイナーだが██(バイト先所在地)にもゆかりのある作家。亡くなってから注目されるのは本意ではないだろうが、ぜひ多くの人に読まれてほしい作家。

私の好きな週末 (ビームコミックス)

私の好きな週末 (ビームコミックス)

 

 

 

『レイリ』①②/原作・岩明均 漫画・室井大資
またひとつ楽しみな連載が増えた!岩明均室井大資というとちょっと意外なタッグに思えたが、岩明先生の方から声を掛けたというだけあって、緊迫感のある時代劇のなかで室井先生の気の抜けたようなギャグ描写がマッチしオリジナリティを生んでいる。あとがきで原作・作画二人の漫画家としての性格の違いが分かるのも面白い。

レイリ(1)(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

レイリ(1)(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

 
レイリ(2)(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

レイリ(2)(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

 

 

 

2月号 2016年本当に売りたかった本

『ローカルワンダーランド』①②/福島聡

「小粒ながらも一級品」
物事を観察し、そこから妄想を広げ、物語を構成していって続きが気になるところでスパッと終わらせる。福島聡の短編には漫画の面白さがすべて詰まっている…と言っても言い過ぎではないと思います。引き出しの多さを味わえる全2巻13話、きっと好きなお話が見つかるはずです。 

 

 

3月号

売りたかった本フェアが長引いたのでなかった(記憶)

 

4月号

『10歳かあさん』/小路啓之
リアルタイムで連載を追えることに喜びを感じられる作家はどれだけいるだろうか。昨年事故で逝去された作者の遺作は未完となってしまった。小路啓之は間違いなく唯一無二で、決して失われてはいけない才能だった。ちょっと変態的で不器用に生きるキャラ、歪んだ関係性の中に生まれる愛と背徳感、遺作には小路作品の魅力が詰まっています。

10歳かあさん (MFC)

10歳かあさん (MFC)

 

 

『書店員 波山個間子』①/黒谷知也
作中には向田邦子野田知佑、ヘルマンヘッセら実在の本が登場するが、これは書評漫画でも職業漫画でもない。ブックアドバイザーとして働く波山さんを通して読書という体験そのものを描いた漫画だ。シンプルな描線や静かなモノローグは読書の世界や波山さん自身の内向的な性格に合っていて読後にはじんわりとした気持ちが残ります。

書店員 波山個間子 (1) (it COMICS)

書店員 波山個間子 (1) (it COMICS)

 

 

『バイオレンスアクション』①/浅井蓮次、沢田新
コミカライズ作品を手がけてきた浅井蓮次と謎の(?)兼業主婦・沢田新両氏による“バイオレンスアクション”。ゆるふわ専門女子学生で雇われヒットマンのケイは殺伐とした世界に住んでいるが生きる希望は絶やさない。キュートな女の子と容赦ないバイオレンスのギャップを楽しむだけではない、これは再生の物語なのだと思う。

バイオレンスアクション 1 (ビッグコミックススペシャル)

バイオレンスアクション 1 (ビッグコミックススペシャル)

 

 

 

5月号

『悪魔を憐れむ歌』①/梶本レイカ
"四角く"折り曲げれられた死体が相次いで見つかるという連続猟奇殺人事件を追う刑事と怪しい医師の出会いを通し、警察の腐敗、冤罪、暴力、狂気、美学、哲学がないまぜになった濃厚な世界観が描き出される。一度筆を折ろうとした作者が再び一般誌で連載を始めた今作は、パワーアップした梶本ワールドに加え漫画というエンタメが持つ地力も感じられます。

悪魔を憐れむ歌 1 (バンチコミックス)

悪魔を憐れむ歌 1 (バンチコミックス)

 

 

『アマネ†ギムナジウム』①/古屋兎丸
ドール作りが趣味のアラサー女性派遣社員が謎の粘土を使って少年達を作り上げると、命が吹き込まれ突然人形たちが動き出す。古屋兎丸の漫画と言えば、初期のメタフィクションっぽいつくり、「表現者」を描いたファンタジー、一方で少年達の耽美でアングラな世界と様々。最新作はそれらの作風が全て合わさったような物語として展開していきそうです。

アマネ†ギムナジウム(1) (モーニング KC)

アマネ†ギムナジウム(1) (モーニング KC)

 

 

『仏像パンク』①/横尾公敏
時は江戸。暴走し人里を襲う野良仏(のらぶつ)と、それら巨大仏像を狩る仏像破壊屋=通称仏破(ぶっぱ)。決め台詞は「仏壊(ぶっこわ)す!!」。『進撃の巨人』の仏像バージョンと説明すれば分かりやすいでしょうか。暴れ回る国宝級の仏像をバキバキに仏壊していく絵面の迫力は物凄いのですが、仏像マニアの方は気を悪くするかもしれないので要注意です。

仏像パンク  (1) (バーズコミックス)

仏像パンク (1) (バーズコミックス)

 

 

 

濃い作品推しでいってみよう、としたけど、さすがに仏像パンクは攻めすぎた気がする(全然売れてなかったと思う)。

ていうかこの時期就活しながらふつうにバイトもしてた。そしてこれが定期的に書き、載せる最後の原稿になりました。

 

2017年本当に売りたかった本

ルポルタージュ』①/売野機子

「真っ当な愛のルポ漫画」

恋愛を"飛ばし"て結婚することが当たり前になった近未来が舞台。結婚には合理性を求めるべきなのか、恋愛は邪魔なものなのか、そもそも誰かを好きでいることに意味はあるのか。現代社会への問いかけを含む一方で、流麗な台詞回しと重厚なドラマこそが作者の真骨頂なのです。

 「売りたかった本」というテーマの選書に毎年悩んでたけど、ルポルタージュこそ売りたかった本だわ…となった。最後の最後で。

 

 

ツイッターと同じ140?とかの字数で書いてたんだけど、まあツイッターのように文脈省略やら勢いやらで書けるはずもなく、でもまあなかなか面白かったです。

ポップと違って実際にフリペを手に取ってもらってはじめて人の目に入る文章なので、お客さんから「あれ面白かったよ~」みたいに声をかけてくれることがあると(1度か2度とかだけど)嬉しかった。

 

おわり

COMITIA123で買ったやつ

『つくみずらくがき画集』/つくみず(つくみず)

今回これを買えればあとはもうどうでもよかった。2015年(8月頃?)以降の絵をまとめたやつですが、とにかく分厚い。嬉しい。つくみず先生の絵、というか世界観というか、ほんとに好きなんですよね。

これでも収録されてない絵がまだまだあるし、ピクシブのアカウントも消されてしまったし、ツイッターにあげた絵も消しちゃうし…(りんぱなの絵とか超好きだったのでローカル保存しておくべきだった)

 

 

 

『イカロス&ハーネス』/(S curve)林麦

 度々口にしてるサークル・S curve、推しサークルです。今回はペーパーだけだったんだけど、4ページでめちゃくちゃ良いガールミーツガール漫画を描いてる。

ほんとに良いのでおすすめです。

 

『出張 タオまるマンガ』/アッパーカット(タオルまるめちゃお)

 タオまるさんのキャラもの。一生続けて欲しいですね。

 

 

『プレゼント・デイ プレゼントHYPE』/クソライダー

 panpanyaさん巨大化オチずるい。

 

 『TRENCH』/ジェニーハニバー(クサダ)

4ページ程度のコピー本ですが超良かった。クサダさんは好きなものを活き活きと描くタイプの作家で信頼できますね。

 

『成コミへの長い道』/咆哮剤(山像樹)

 

 次回こそは無知シチュ漫画楽しみにしています。

 

『ウインターサマー』/煮込みオムライス(むっしゅ)

 むっしゅさんの描く女の子が…好き!

 

『もっと!女甲冑騎士さんとぼく』/青井タイル店(暴力)

 

 

『Mr.Strong Wonder Manのテーマ』/0丁目(時田)

 

 これ、ヤングキングの漫画賞に残ったやつだったんですね。今度アワーズにも載るみたいで楽しみ。

 

『あれは蜂蜜じゃなかった』/おおきめログハウス(たいぼく)

 KING OF COMITIA~~!!

 

 

『北海道ウオアアーーッッッ!』/ナクヤムパンリエッタ(ナクヤムパンリエッタ)

 

 

 『チャイルド×プレイヤー』/ 海鮮帝国(さかさな)

 

 

『最悪にも程がある #2』/GOLEM,Inc.(いとう)

 

 

 『窒息』/フライングえびてんズ

 

 

『みんみん』/みんみん

 

 

『夜歩く』/ネココネココロガール(しぶや)

 

 

『カタメ コイメ オオメ』/最下層水道局(カルキ抜き水道水)

 

 

 

『キミコレプシー』/彷徨クレメンタイン(丸子)

 

 丸子さんの漫画、一見すると筋がわかりにくいんだけど、そこがまた再読性を持たせているんですよね。夢と現実の境目を解くヒントになる小道具使いもうまい。

あの絵で描かれるコメディっぽいコマもシュールな笑いを誘うアクセントになってる。ただ、今作は本編と別に描かれたサイドストーリー的立ち位置で、そこは本編を読んでこそキャラの相関とかも分かる(はず…)なのでそこらへんもぜひ描ききってほしいですね。

といっても今手元に本がない状態で、記憶を頼りに感想を垂れ流してるので今度本を買わせてもらいます。

 

『Cool Struttin'』/彷徨クレメンタイン(澄沫)

www.pixiv.net

ここからはセルフライナーノーツ的なやつのです。

すべての元ネタはきのこ帝国のクロノスタシスという曲です。深夜徘徊のMVと歌詞をそのまま引っ張ってきてる。タイトルもそのままクロノスタシスにする勇気(?)はなかったので、徹夜作業中にシャッフルで流れてきたCool Struttin´から流用しました。

まず画力が虚無なので背景を実際の写真を加工したものにしよう、そこにキャラだけ載せていこうということになったのですが、パースの問題もあってキャラのサイズ感とかが分からなくなったんですね。結果的に最小限のキャラしか載せないことになった。

最後のページの女の子がすごい可愛く描けたんだけど、同時に見せたいコマでキャラと背景の乖離がものすごいことになった(もちろんリアルっぽい町並みとデフォルメキャラのアンバランス感は狙っていたんだけど、それにしてもあんまりにもだった)ので顔の部分に吹き出しを被せることで泣く泣く誤魔化した。結果、なんかしゃらくさい感じに…台詞の部分も最後思いつかなかったのでモザイクで誤魔化しました。

最初はスマホのibisPaintで描いていて、途中で写真背景をうまく編集できないことに気付きクリスタを導入しました。使い方に慣れていくまでに時間がかかりすぎた。それっぽいものは描けるな~ということが分かったけどそれっぽいなにかでしかないのでどうしようもないですね…

写真は家の近所の風景で、最終的に言いたいことは地元が好き、ということなのかもしれない。

俺マン2017

今年刊行されたやつで良かったやつを決めるやつです。今年は本編のみ、12作品です。

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ルポルタージュ』/売野機子 

 

 

 今年話題に上がることの多かった『ルポルタージュ』、色々と思うところはあるんですけどとりあえず続きが読めるようなのでほっとした。

ルポルタージュ』は売野作品のなかでも極めて特別だと思っていて、今まで「普通の社会のなかで取り残された、どこか欠けた人たちの真っ当な愛」みたいなものを描き続けていたのが、今作ではその「真っ当な愛」そのものに疑問を投げかけたという点で売野先生にとってはエポックとなる可能性があるんですよね。

そういう意味でも入れ子というか、この作品自体が「愛」というもののルポ漫画になってるんだと思う。

 3巻まで読んだら棚ぼたどころではなくなっていた。

 

売野機子のハートビート』/売野機子 

 その年に出た売野作品は漏らさず年間ベストに挙げるという慣例がある。

 

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す、好きすぎる…

 

『我らコンタクティ』/森田るい 

我らコンタクティ (アフタヌーンKC)

我らコンタクティ (アフタヌーンKC)

 

 ロマン極振り系単巻完結漫画のニューフェイス

西村ツチカ・真造圭伍・市川春子ふみふみこあたりの80年代ニューウェーブフォロワーのさらにその下のフォロワーみたいな印象で、絵は最高なんだけどストーリーの組み立てがちょっと微妙かな、という気もした。梨穂子さんの話とかお兄ちゃんの話とかロケット打ち上げの障害となる警察とか、展開が早いので雑、に見えてしまう。1話にしか出てこなかった社長も完全に空気だしね。

でもそれを吹き飛ばすだけのカタルシスがあってマージで最高。作者の巻末コメントで2度泣いた。

 

『シンギュラリティは雲をつかむ』/園田俊樹  

シンギュラリティは雲をつかむ(1) (アフタヌーンKC)

シンギュラリティは雲をつかむ(1) (アフタヌーンKC)

 

学校で周りから疎まれる天才少年、見たこともないメカとの邂逅、そのメカを操る目的はごく単純で個人的な欲望、他人からの称賛が欲しいという叫び、「シンギュラリティ 発進」、という完璧すぎる1話を読んだときから単行本化を待ってた。

作者が「アフタファンによるアフタファンのための漫画」と言ってるようなのに最近話をたたみ始めてるように見えて心配。これが売れないのどうかしてんだろ。どうなってんだ。

  

『ブルーピリオド』/ 山口つばさ

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンKC)

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンKC)

 

 

 

 ブルピリも1話からダントツで思白かった。

 美大受験のための技術指南漫画であり、美大受験のための心の支え的漫画でもあり、もちろんDQNが芸術の道を目指すという王道漫画でもある。

 ここらへんの群像劇的側面がある点もポイント高くて、全人類に当たり判定があるんですよ。

今年はアフタヌーンがマジで面白くて、さらに来年からは石黒先生の連載が始まるときたら、もうね。ヤバイです。

 これは煽りじゃない本心です。

  

 『四ツ谷十三式新世界遭難実験』/有馬慎太郎 

四ツ谷十三式新世界遭難実験 1 (BLADE COMICS)

四ツ谷十三式新世界遭難実験 1 (BLADE COMICS)

 

レベルE

異世界デタラメキモ・モンスターのキモ・生態が楽しすぎるので第三者の陰謀とか敵キャラクターとかそういうのは出さずにもう一生この世界観でやっててほしいやつ。ブラコンの妹が可愛い。

 

『雑草家族』/小路啓之 

雑草家族 (ヤングジャンプコミックス)

雑草家族 (ヤングジャンプコミックス)

 

 小路先生が亡くなられたことによる損失、めちゃくちゃデカい。これは青山景の『よいこの黙示録』のときもそうだったけど、未完でも許せるくらいに面白いというのはほんとにすごいし、そういう作品こそ本物なんじゃないかとさえ思ってしまう。嘘です。未完を許せるわけはない。

同じく遺作となった『10歳かあさん』も変態的で不器用に生きるキャラと、歪んだ関係性の中に生まれる愛、みたいな小路作品の魅力が詰まってる唯一無二の作品だと思う。

 

『魔女と野獣』/佐竹 幸典

魔女と野獣(1) (ヤンマガKCスペシャル)

魔女と野獣(1) (ヤンマガKCスペシャル)

 

復讐に生きる口の悪い女が過度な暴力を振るう最高コミック。顔が良くて口の悪い女の暴力ほど好きなものないな。「魔響教団」というネーミングが微妙にダサい気がしなくもないけどこの先も色んなバディが出てくるとアツイ。

とにかく絵がめためたに上手くて、戦闘シーンで枠線をデコったりしてるところを見ると描いてるうちにノってきたんだろうな~というのが伝わってきて良い。

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あと表紙もめちゃくちゃに良いですね。

 

『星と旅する』/石沢庸介 

星と旅する(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

星と旅する(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

 

 人が居住区としての星を所有している世界という設定がすごい面白い。家として、また自分の領地としての機能を果たす星をDIYで改造していくというストーリーが持つシミュレーションゲーム的な楽しさ。加えて星に乗って旅を続けていくことのワクワク感。キャンピングカーの規模がクソデカい版って考えたらクソワクワクしないですか。

冒険ものにおける「帰るべき場所」って重要な要素だと思ってて。それに対して、家(星)ごと旅していくっていうストーリーは新しいのでは!?、旅を重ねることでその「帰るべき場所」がどんどん改造されていって自分だけの桃源郷になったらさらに楽しいのでは!?!?という発想。天才では。

あと表紙もめちゃくちゃに良いですね。

 

 『麻衣の虫ぐらし』/雨がっぱ少女群

麻衣の虫ぐらし 1 (バンブーコミックス)

麻衣の虫ぐらし 1 (バンブーコミックス)

 

 顔の良い無職女とそれを甘やかす農家の女の田舎暮らしを描いた最高コミック。絵がめちゃめちゃに上手いホラーロリエロ漫画家が百合と虫を描くとこうなる。絵がめちゃめちゃに上手いホラーロリエロ漫画家はふつう百合と虫を描かないと思うけど。

日常描写だけでなく、菜々子のおじいちゃんのエピソードを入れたことで他の命と生きること、虫と共生することというストーリーが説得力を持つようになったな~と思った。

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この裏話クソ笑った。

あと表紙の菜々子が麻衣に向ける””まなざし””もめちゃくちゃ良いですね!!!!!女が女に向ける””まなざし””が好き!!!!

  

『オッドマン11』/道満晴明 

オッドマン11 (メガストアコミックス)

オッドマン11 (メガストアコミックス)

 

『スーサイドパラべラム』が掲載誌であるメフィストの電子版完全移行に伴って(?)完結したのが去年の12月とかで、今年単行本出ると良いな~と思ってたらこっちのほうが先に出た。道満作品は単行本として読めるだけで嬉しいというのがある。

人間の女が人外の女に総攻めされるだけのお話。ちなみに僕の推しオッドマンはNo.9「不潔(ペスト)」の異名をもつ不条先輩です。

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輪入道」は体位の名称ではない。

 

『北極百貨店のコンシェルジュさん』/西村ツチカ

北極百貨店のコンシェルジュさん 1 (ビッグコミックススペシャル)

北極百貨店のコンシェルジュさん 1 (ビッグコミックススペシャル)

 

  The world's cutest  comic.

 

百貨店の店員側が人間でお客さんが動物、という設定は一見逆なのでは?とも思うんだけど、これはツチカ先生のお家芸である「不思議の国のアリス理論」の転換なんだよな。だからこそ今までになくcuteで嫌味のない漫画になってる。世界一可愛い。

2017年によく聞いたやつ

 

 『動く、動く』 /チト (水瀬いのり) & ユーリ (久保ユリカ)

 少女チャーメツ旅行、音楽もチャーメツに良すぎる。久保さんの絶妙にイラっとくる声と水瀬さんの気だるげに聞こえるけどユーリのことをたしかに信頼してる声、良いよね……ホンマに良い…

あとカップリングのEndless Journeyの歌詞がヤバいのでぜひ聞いて欲しい。カプがお互いの好きなところを言い合うキャラソンが用意されているアニメは名作。

これは無限に聞いてるやつです。


【少女終末旅行OP】ファミコン音源で 動く、動く(Full Size)

 

ようこそジャパリパークへ』/V.A. 

Mステ?で見た動き回るozpureさんゲロ可愛かったが。 

 

 『四畳半』/GADORO 

四畳半

四畳半

 

GADOROさんがよく使いがちなエモワードと言えば→→「シケモク」

www.youtube.com

 

 『Chant』/toi toy toi 

TVアニメ『アリスと蔵六』EDテーマ「Chant」

TVアニメ『アリスと蔵六』EDテーマ「Chant」

 

コトリンゴの歌声が優しすぎてずるいやつ(?)。

 


toi toy toi / Chant(kotringo edition) Music Video

 

 『Mars Ice House』/ゆるふわギャング

Mars Ice House

Mars Ice House

 

 フォロワー氏が推してたので聞いてみたらゲロ良かった。どうでもいいけどちょうどゆるふわにハマった頃に高ラでRedEyeが「ラインを聞くよりラインを引け」をサンプリングしてたのでアガった。

でも実はSALUのほうに客演してた「夜に失くす」が一番好きだったりします。


SALU / 夜に失くす feat. ゆるふわギャング (Ryugo Ishida, Sophiee)【Official Music Video】

 

『旅とフェリー』/婦人倶楽部 

旅とフェリー

旅とフェリー

 


婦人倶楽部「旅とフェリー」 / FUJIN CLUB - Travel & Ferry

今年はルマンドアイスをはじめて食べました。

 

 『ABS+STUTS』/Alfred Beach Sandal+STUTS

ABS+STUTS

ABS+STUTS

 


Alfred Beach Sandal + STUTS - Horizon 【Official Music Video】

 夜のお供1。

 

 『リトルウィッチアカデミア』サウンドトラック集/大島ミチル

『リトルウィッチアカデミア』サウンドトラック集

『リトルウィッチアカデミア』サウンドトラック集

 

 2017年、リトアカの年だった。

1期OPED2期OPEDどれもめっちゃ聞いたけどアニメミライ版と魔法仕掛けのパレードの劇伴も収録してくれたサントラで。あとジャケがメッ可愛。

 

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS MASTER SEASONS AUTUMN!』

MASTER SEASONSシリーズから曲の方向性が変わっていってるっぽいんですけどその中でも秋盤がエモすぎる。さよドロメダ(夜のお供2)の森久保パートで毎回泣く。はやくイノタクのDJイベントでエモ狂いてえ…


【楽曲試聴】「さよならアンドロメダ」(歌:渋谷凛、森久保乃々、大和亜季)

 

 

 

 『鏡面の波』/YURiKA

鏡面の波(アニメ盤)TVアニメ『宝石の国』オープニングテーマ

鏡面の波(アニメ盤)TVアニメ『宝石の国』オープニングテーマ

 

 ハイスイノナサ好きだったんだけどあんまり聞かなくなっちゃってたから音に懐かしさを感じる。めちゃくちゃ凝ってる(らしい、言われてもわからん)のもすごい。

 鏡面の波も動く動くも今年の最後に出たのに残りの一ヶ月でめちゃくちゃリピートした。

 

アニメの曲しか聞いてないしオタクライブにしか行ってないのでオタクじゃないライブに復帰したい。

俺マン2016~本編~

俺マン2016、本編です。

例によって年内発行のものが対象で、去年未単行本化枠で選んだ作品(『ディザインズ』、『終電ちゃん』、『あげくの果てのカノン』、『ライアーバード』)は外します。未単行本化枠は今年からやめる。めんどくさいので。

さらに上半期ベストコミックはもう選んであるのでここでは下半期で良かったやつのタイトルを挙げていきます。

summatz.hatenablog.com

上半期ベスト

『かんぺきな街』/売野機子
『hなhとA子の呪い』/中野でいち
『コオリオニ』/梶本レイカ
ゴールデンゴールド』/堀尾省太
『氷上のクラウン』/タヤマ碧
『私の少年』/高野ひと深
『こども・おとな』/福島鉄平

『推しが武道館行ってくれたら死ぬ』と『とある結婚』は百合漫画編に移動。

ということで上半期7作+下半期12作で俺マン2016としようと思います。

 

『私の好きな週末』/三好銀

私の好きな週末 (ビームコミックス)

私の好きな週末 (ビームコミックス)

 

今年8月に亡くなられた三好銀の遺作。白黒の装丁は、三好作品のデザインも多く担当してきたセキネシンイチ制作室からのメッセージにも見える。三好作品の雰囲気は三好銀自身の人間性由来のものであった、ということが角田光代横浜聡子森泉岳土、やまだないとら、生前親交のあったクリエイターたちの追悼寄稿から読み取れる。

『海辺へ行く道』シリーズなんかはもうほぼ絶版に近い状態なんじゃないかな。亡くなってから注目されるのも本望じゃないだろうなあ…とは思いつつも、これを機会に(という言い回しも妥当ではないけど)多くの人に読まれて欲しい作家。

 

今年は小路啓之先生も急逝しちゃってかなりショックだった。どちらも唯一無二の作風で、同時代に生きて新作を読めることが楽しみな作家だっただけに失われたものも大きいんじゃないでしょうか。文化の損失。

 

『ぎなた式』/三木有 

ぎなた式 (ジャンプコミックス)

ぎなた式 (ジャンプコミックス)

 

もう、めっちゃ良かった。「女子の武道」とされる薙刀に、「男子だから」という理由でスポーツ万能型主人公が拒絶されるというのが導入として完璧。サブキャラも立ってるし、演出も上手い。ロギイの作者だって気が付かなかった。

いや~きっと2巻の終わりあたりでもうひとりの男子薙刀選手(経験者)が出てきて、合宿回をはさんで4巻の幸村杯の県内予選では薙刀初心者に同じ初心者の月高が苦戦したりして、一方女子の部では磐石かと思われた國田さんがまさかの予選負けで全国大会には出られず、7巻の全国大会編決勝では西條も負け、ムサ高薙刀部2年目での雪辱を誓うシーンで8巻が締められるとかなんだろうな~~~~え!?!?1巻で終わりなの!??なんで!!???

 

『めしにしましょう』/小林銅蟲

めしにしましょう(1) (イブニングKC)

めしにしましょう(1) (イブニングKC)

 

すっかりインターネットの人という印象の強い小林銅蟲先生の商業連載作品。

脳直で飯描写の快感を得られるペーパードラッグ。多少マイルドになった銅蟲節も笑える。

『寿司虚空編』を早く単行本化してくれ。

 

 『結んで放して』/山名沢湖 

結んで放して (アクションコミックス)

結んで放して (アクションコミックス)

 

同人を描く人、書く人、そして同人を読む人にも、全員に読んでほしいやつ。

漫画に限らず何か好きなことを続けるには何かを犠牲にしなければいけないこともあったりして、それでも描き続けてくれる人たちに対しては、読者としては一生頭が上がらない。

ものすごい見覚えがあったりする。

あとこのほんわかした絵柄でコスプレプレイする同人作家カップルを描いたりするのでヒェッとなった。

 

『レイリ』/原作・岩明均、漫画・室井大資 

レイリ(1)(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

レイリ(1)(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

 
レイリ(2)(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

レイリ(2)(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

 

レイリです。初回2話掲載でオッとなって、3話目読んであれ…?もしかして進み遅いのかな…?と思ってたんですけど、実はそれを見越して計画された2冊同時発売だったみたいです。完全に成功してる。1巻・2巻それぞれの巻末に岩明・室井両先生のあとがきを載せて、はっきりと漫画家としての性格の違いがあらわになってるのがめちゃくちゃ面白い。

長期連載になりそうだけど、話自体は出来上がってるっぽい?またひとつ楽しみな連載作が増えたことの喜びが大きい。

 

『クリスマスプレゼントなんていらない』/売野機子

売野機子2冊目選んじゃった。大好きだから。

登場人物が喋りすぎる売野漫画において、ポエムを吐かないタイプの主人公の「おれが美しいと思うもののために」はわりと新しいんじゃないかな~と思う。全話好きですけど。

今年は2冊も売野先生の漫画が読めて幸せでした。来年1月にも新しいのが出る。幸せ。

 

『あさは、おはよう 大澄剛短編集』/大澄剛

あさは、おはよう -大澄剛短編集- (ヤングキングコミックス)

あさは、おはよう -大澄剛短編集- (ヤングキングコミックス)

 

家族制度最高!一番好きな制度です!

大澄作品、『千代に八千代に』以来なんですけどやっぱりめちゃくちゃ良い…ひとりひとりを表情で描き分け、このキャラはこういう性格だからこういう表情をする、というのをしっかり考えてあるから生身の人間っぽさが凄い。独立した短編に登場人物が実はどこかでつながっていた、という構成も俺が好きなやつ。

読んでない作品全部読みます…

 

『春の呪い』/小西明日翔

春の呪い 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

春の呪い 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

 

 

春の呪い 2 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

春の呪い 2 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

 

家族制度最悪だな。やっぱりぶち壊すしかない。

太い主線で描かれた垢抜けない絵ではあるけど、グイグイ物語に引き込んで読ませる力がある。どうやら最初は小説として作ってたみたいですね。たしかに筋書きはそれっぽい。

ある日、「描けるかもしれない」と思った——vol.1|『春の呪い』インタビュー|小西明日翔|cakes(ケイクス)

死んだ瞬間に個人のすべてのSNSデータもこの世から抹消される仕組みを早く開発してくれという思いが強まった。

 

『晴れ間に三日月』/イシデ電

晴れ間に三日月 (オフィスユーコミックス)

晴れ間に三日月 (オフィスユーコミックス)

 

そうだ。家族制度をぶち壊していけ。いいぞ。

百合漫画編のほうに入れるか悩んだけどこっちにしました。というのも、元彼を幼馴染の取られ、お互いに子ども産んで14年ぶりに再会、そして14年ぶりの”絶交”に行き着く女と女の物語だから。

帯の山下和美が言いたいことをすべて言ってくれていて、「言葉にできない気持ちを言葉に」していて、ドロドロの愛憎劇なのに決して登場人物が感情的にならずに丁寧に言葉で解決させようとしているのが凄い。性格が良さそう。だから後味も爽やか。

 

『動物たち』/panpanya

動物たち

動物たち

 

みんな大好きpanpanya。併収されてる日記を読んでも分かるけど、何かを観察する目が優れてるんだろうね。

装丁も完璧。

 

『ローカルワンダーランド』/福島聡

みんな大好き福島聡。そういえばこれだけ上半期に入れ忘れてました。

物語を面白くする要素は何か?モチーフ、キャラクター、セリフ、伏線、オチ、コマ割り…そのすべてが福島聡の漫画には詰まってると思ってる。かといって漫画の教科書になるか、と言ったら高度すぎて決して真似できないような。

福島聡が描く裸体が好き。

 

塹壕の戦争 1914-1918』/タルディ、訳・藤原貞朗

塹壕の戦争: 1914-1918

塹壕の戦争: 1914-1918

 

フランスの巨匠タルディの「戦記コミックの金字塔」と呼ばれるBD。そもそも初版は1993年に出版されており、さらに第一話となる「大砲の穴」という作品は83年に発表されたもの。また、日本語訳番も去年の夏あたりに出る予定だった(はず。その頃から気になってたけど一向に音沙汰がなかった)のが、2016年も11月になってようやく出版されたという経緯がある。

でもこれが今年出たのは偶然ではなく、2016年ベストムービーである「この世界の片隅に」と同列に語れるなと思っていて。そしたら訳者もあとがきで同じことを述べていた(翻訳自体は2015年にされているのでこの場合は漫画版と比較している)。

タルディは第一次大戦にこだわり、こうの史代は第二次大戦を描き、またもちろんジェンダー間の視点の違い、文化的違いがあるものの、どちらも「体験し得ない戦争の詳細を徹底的に掘り下げ、戦争を現代に生きる人のなかに内在化させてしまうこと」をやっている。

こうの史代があるいは片渕須直監督が、「この世界の片隅に」で徹底的に戦時中の市井の人を掘り下げたのと同じように、タルディは徹底して一兵卒(無名の兵士)を主人公にし、そして死なせる。タルディの手法は自身の想像によるところが大きいようだけど、そうやって視点を絞って細かいディティールを積み重ねていくことは実は普遍性につながっているんだ、というのが最近の気付き。

だから『塹壕の戦争』の登場と『この世界の片隅に』再評価の流れは呼応して、”フィクションの戦争もの”の可能性を提示したんじゃないかとすら思ってる。

姉妹書にあたる『汚れた戦争』についてはまだ読んでません。

ていうか年末にかけて『HERE』、『オリエンタル・ピアノ』、『失われた時を求めて』あたりの気になる海外漫画が増えて…全部買うわけにもいかないし…となってた。

 

 

俺マン2016~百合漫画編~

 

個人的なレギュレーションとして、『ななしのアステリズム』は去年未単行本化枠で一度挙げてるので除いています。ななアスは今年も面白かった。

あと『とある結婚』と『推し武道』については上半期ベストコミックにも挙げてたのでそこからこっちに持ってきた。

 

ジャックポットに微笑んで』/つつい

ジャックポットに微笑んで (百合姫コミックス)

ジャックポットに微笑んで (百合姫コミックス)

 

コミティア作家つつい先生の同人誌まとめ本。つつい先生については、夏のコミティアで初めて本を買って、その直後にこの商業初単行本が出たという流れで一気にファンになってしまった。

嫉妬・怨嗟系の「広義の百合(作者の言葉そのまま)」で俺たち(極大主語)が絶対に好きなやつ。「仄暗い百合」では片付けられないほど、漫画そのものが上手い。

百合姫から出たってことはこれからは百合姫で描いていくのかな。

 

『柚子森さん』/江島絵理

柚子森さん 1 (ビッグコミックススペシャル)

柚子森さん 1 (ビッグコミックススペシャル)

 

う~~~~ん……

 

柚子森さんに関してはガチの叱られが発生するけど素直に笑ってしまったし江島絵理先生のフワッフワな絵柄で甘ッ甘な百合を描かれると脳が壊れてしまうので選出。『オルギア』を読め。読んだか?今すぐ読め。

 

『ほたるこい』/タカハギケモノ 

ほたるこい 上巻 (オークラ出版)

ほたるこい 上巻 (オークラ出版)

 

 

ほたるこい 下巻 (オークラ出版)

ほたるこい 下巻 (オークラ出版)

 

主にコミティアとかで同人の百合を描いている作者の、初?商業全年齢向けコミック。

2人の少女が1人の少女のことを愛した結果、彼女は自殺し、その穴を埋めるため残された2人は身体を重ねる…というわりとハードな描写から物語は始まる。亡くなった子にそっくりの少女が2人の前に現れたことから2人の間の嫉妬や確執といった要素が吹き出してくる。徐々に自殺の真相が明らかになっていったりと、サスペンスっぽくもあるけど、最後はハッピーエンドです(大事)。

結構1巻でもきれいにまとまってると思うんだけど、2巻でまたそれぞれの関係が引っ掻き回され、最後は希望の見える終わり方まで持っていってる。決して引き伸ばしというわけではなく(そもそもがWeb連載)、ちゃんと描きたいものを描ききった感がある。

漫画とは関係ないんですけど、作者が自分のホームページで粛々とやってる「美樹さやかオールナイトニッポン」というシリーズがあって。すごい。圧が。

あいのくら通信 美樹さやかのオールナイトニッポン

 

『ソワレ学級』 /靴下ぬぎ子 

ソワレ学級 1 (リュウコミックス)

ソワレ学級 1 (リュウコミックス)

 

こちらもコミティアではおなじみの靴下ぬぎ子先生の初商業作品。定時制高校に通う不適合者女の子の百合で、顔の良い不適合者が量産型適合者に顔面偏差値マウンティングを取っていく最高コミック。

「自分の好きな人には自分とだけ仲良くしていてほしい」という依存度の高い百合かと思いきや、そもそもが男を主人公にしていたり群像劇っぽいつくりを取っているので2人の関係が主観的になりすぎないのが良い。

あと表紙がめちゃくちゃ可愛い。

 

『推しが武道館行ってくれたら死ぬ』/平尾アウリ

 

2015年が『やがて君になる』の年だったとしたら今年は『推し武道』の年だったということでいいんじゃないでしょうか。

2巻でゆめまきが加速しすぎててもはや別離が怖い。

やってしまった。

ドルオタあるあるやコメディ要素も入れつつ、作品全体が絶妙なバランスの上に成り立っているという完成度の高さ。

 

『私と彼女のお泊り映画』/安田剛助

私と彼女のお泊まり映画 1 (BUNCH COMICS)

私と彼女のお泊まり映画 1 (BUNCH COMICS)

 

女子大生2人が週末に家で映画鑑賞会を開く、という一話完結フォーマットの百合漫画。映画に関してはネタバレを避け、話のスパイスになる程度。

『木根さんの1人でキネマ』が類似で挙げられそうだけど、あっちはこじらせオタクとしての面が強いのに大して、こちらはマイルドで百合要素強め。

 

 『安達としまむら』/原作・入間人間、作画・まに、キャラクター原案・のん

安達としまむら(1) (ガンガンコミックスONLINE)

安達としまむら(1) (ガンガンコミックスONLINE)

 

あまり真面目とは言えない、サボり気味女子高生2人の百合。可愛い。良いですね。コミカライズ作品も敬遠できないな…と思った。

 

『エクレア あなたに響く百合アンソロジー

エクレア あなたに響く百合アンソロジー

エクレア あなたに響く百合アンソロジー

 

「ベッドと女と女 そうしたらヤることはひとつでしょ」(「GAME OVER」/唯野影吉先生)などのパンチラインが飛び出すなか、個人的には『現代魔女図鑑』で既に百合の気配を出していた伊咲ウタ先生の本格的な百合が読めたのが嬉しい。絶対百合の才能ありそうなのにな~と思ってた作家が実際に百合を描いてくると「これが…初…?」と思わず疑ってしまいたくなるほど好みのやつだった。性格の良さそうな絵をお描きになる。

みんな、女の泣き顔が好き。

 

『まめコーデ』/宮部サチ 

まめコーデ 1 (リュウコミックス)

まめコーデ 1 (リュウコミックス)

 

前作の『満腹百合』では、正直なところ絵が魅力的でなく、グルメを題材にしてるのに料理が美味そうに見えない…百合描写もありきたり…でも百合を描きたいのは伝わってくる…という感じだったんですけど。今作では画力もアップし、田舎者のモデルとそれを可愛くプロデュースするマネージャーという組み合わせでストーリー性も持たせてきてすごく良くなった。

 

 『ろみちゃんの恋、かな?』/武田春人

ろみちゃんの恋、かな?

ろみちゃんの恋、かな?

 

同人サークル・安パンでも描いている武田先生の商業本。武田先生の作品に関しては、けいおん!の二次創作の頃からラブライブ!コミティアでの創作百合でももうずっと前から買って読んでいてもちろん楽園でちょこちょこ描いてたのも知ってたんですけど、だから商業で初単行本と聞いた時に「あっそっか単行本としては初だよな」感があり。

楽園から単行本出すとゲスト寄稿が豪華になる法則。

 

『道割草物語』/武川慎

道割草物語(上) (メテオCOMICS)

道割草物語(上) (メテオCOMICS)

 
道割草物語(下) (メテオCOMICS)

道割草物語(下) (メテオCOMICS)

 

退廃世界×吸血鬼×百合。

人類が滅びた後の世界で女吸血鬼だけのコミュニティを作りお互いの血を吸い合うことで暮らしているという世界観で、姉妹と師弟の関係にあるも仲違いしてしまった二組の吸血鬼の仲を取り持つ…という一本のストーリーが上下巻にまとまっている。

吸血鬼の設定にオリジナリティを持たせ、そこで生まれる主従や恋人どうしの関係性を描いている。そもそも廃墟と吸血鬼という組み合わせが最強。

 

『とある結婚』/熊鹿るり

とある結婚

とある結婚

 

ロサンゼルスに住むレズビアンカップルが、職場での偏見、クリスチャンの父親からの反対、隣に住むゲイカップルの死…など、困難を乗り越えて結婚までたどり着く話。実際にLGBTが人口の多くを占めるロサンゼルスに在住している作者は現場で取材を行ったらしく、アメリカでの同性婚についてのトピックがコラムとして挿入されている。

 

 

俺マンには入れなかったけど、『NKJK』(吉沢緑時)、『パラフィリア~人間椅子奇譚~』(佐藤まさき)、『さよならジュリエッタ』(道明宏明)、あたりも良かった。『ジュリエッタ』も載ってるシリウスが最近徐々に百合推しになってきたようで、『DNAは教えてくれない』(みんたろう)というケモハーレム百合もあるのが謎。